切削加工

高送り加工とは?工具選定と加工効率向上のポイント

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製造現場では、「もっと加工時間を短くしたい」「工具を長持ちさせたい」「コストを下げたい」といった課題を抱えている企業が少なくありません。そのような課題を解決する方法の一つとして注目されているのが高送り加工です。

高送り加工は、自動車部品や金型、機械部品など幅広い分野で採用されており、生産性を向上させる加工方法として多くの現場で活用されています。

しかし、「普通の加工と何が違うの?」「どんな工具を使えばいいの?」と疑問を持つ方も多いでしょう。

この記事では、高送り加工の基本からメリット・デメリット、工具選びのポイント、加工効率を高めるためのコツまで、専門用語をできるだけ使わずにわかりやすく解説します。

高送り加工とは

高送り加工とは、工具の回転を極端に速くするのではなく、工具を前に進める速度を速くして加工時間を短縮する方法です。

一般的な加工では、一度に深く削ることがありますが、高送り加工では一回に削る深さを浅くし、その代わりに工具を素早く動かします。

例えば、雪かきをイメージするとわかりやすいでしょう。

一度に大量の雪を運ぼうとすると重くて大変ですが、少しずつ素早く運べば効率よく作業できます。高送り加工も同じような考え方です。

工具への負担を抑えながら、多くの距離を移動して材料を削ることで、全体の加工時間を短縮できます。

高送り加工が注目される理由

近年、製造業では人手不足やコスト削減が大きな課題となっています。

限られた設備でより多くの製品を作るためには、生産効率を高めることが重要です。

そこで注目されているのが高送り加工です。

加工時間が短くなれば、生産数を増やすことができます。また、設備が動いている時間を短縮できるため、電気代などのコスト削減にもつながります。

さらに、工具への負担を抑えられるため、工具交換の回数が減るケースもあり、作業効率の向上にも役立ちます。

高送り加工のメリット

加工時間を短縮できる

最大のメリットは加工時間を短縮できることです。

工具を速く移動させるため、広い面積を削る荒加工では特に効果を発揮します。

加工時間が短くなれば、生産能力が向上し、納期短縮にもつながります。

工具が長持ちしやすい

高送り加工では、一度に削る量が少ないため、工具にかかる負担が分散されます。

その結果、工具の摩耗を抑えられる場合が多く、交換回数の削減につながります。

もちろん加工する材料や条件によって異なりますが、適切な条件で加工すれば工具寿命の改善が期待できます。

機械への負担を抑えられる

一度に大きな力をかけて削る加工では、機械にも負荷がかかります。

一方、高送り加工では切り込みを浅くすることで負荷を抑えられるため、比較的小さな機械でも効率よく加工できる場合があります。

設備を長く使用するためにもメリットのある加工方法といえるでしょう。

生産コストを削減しやすい

加工時間が短くなり、工具交換も減れば、結果としてコスト削減につながります。

製造現場では加工時間が短くなるだけでも年間では大きなコスト削減になることがあります。

高送り加工のデメリット

深い加工には向いていない

高送り加工は、一度に深く削る加工には適していません。

そのため、荒加工では高送り加工を行い、最後の仕上げ加工では通常の加工方法を使い分けることが一般的です。

加工条件の設定が重要

送り速度だけを速くしても、高送り加工にはなりません。

回転速度や削る深さなど、複数の条件をバランスよく設定する必要があります。

条件が合っていないと、工具の寿命が短くなったり、加工面が荒れたりすることがあります。

専用工具が必要な場合がある

一般的な工具でも高送り加工ができるケースはありますが、本来の性能を発揮するには高送り加工専用の工具を使用することが多くなります。

そのため、初期費用がかかる場合があります。

ただし、生産性が向上すれば、その費用以上の効果が期待できるケースも少なくありません。

高送り加工に適した工具とは

高送り加工では、工具選びが非常に重要です。

適切な工具を使用することで、安全性や加工効率が大きく変わります。

高送り加工専用工具

専用工具は、高送り加工に合わせた形状になっています。

工具へかかる負担を分散しやすく、安定した加工を行いやすいのが特徴です。

加工メーカーでも、高送り加工専用シリーズを数多く販売しています。

刃先交換式工具

刃先だけを交換できるタイプの工具も人気があります。

工具本体をそのまま使えるため、刃先だけ交換すればよく、ランニングコストを抑えやすいメリットがあります。

大量生産を行う現場では特に多く採用されています。

加工する材料に合った工具

鉄、ステンレス、アルミなど、加工する材料によって適した工具は異なります。

同じ高送り加工でも、材料に合わない工具では十分な性能を発揮できません。

工具メーカーが推奨している用途を確認して選ぶことが大切です。

工具選定で確認したいポイント

加工する材料

まず確認したいのは材料です。

材料によって削りやすさが異なるため、それぞれに適した工具を選ぶ必要があります。

加工内容

荒加工なのか、仕上げ加工なのかでも工具は変わります。

高送り加工は主に荒加工で使用されることが多いため、用途を明確にして選びましょう。

機械との相性

高性能な工具でも、使用する機械との相性が悪ければ十分な効果は得られません。

回転数や出力など、機械の性能に合った工具を選ぶことが重要です。

コストと交換性

工具価格だけでなく、交換部品の価格や交換作業のしやすさも確認しておきましょう。

長期間使用することを考えると、維持費も重要なポイントになります。

加工効率を向上させるポイント

適切な加工条件を設定する

送り速度だけを速くするのではなく、回転速度や削る深さとのバランスを考えることが大切です。

メーカーが推奨している加工条件を参考にすると、安定した加工につながります。

工具の状態を定期的に確認する

摩耗した工具を使い続けると、加工品質が低下するだけでなく、機械への負担も大きくなります。

定期的な点検と交換が重要です。

切りくずをしっかり排出する

加工中に出る切りくずが工具周辺に残ると、加工面を傷つけたり、工具寿命を短くしたりする原因になります。

切りくずがスムーズに排出されるよう、加工条件や冷却方法も確認しましょう。

工具メーカーの推奨条件を活用する

最近では、多くの工具メーカーが加工条件を公開しています。

初めて高送り加工を行う場合は、それらの条件を参考にすると、失敗を減らすことができます。

高送り加工はどんな場面で活躍する?

高送り加工は、特に大量の材料を削る荒加工で効果を発揮します。

例えば、自動車部品の製造では、多くの部品を短時間で加工する必要があります。

また、金型製作でも、仕上げ加工の前段階として高送り加工が多く採用されています。

さらに、航空機部品や建設機械部品など、大きな材料を加工する現場でも利用されています。

加工時間を短縮できることから、多くの製造業で欠かせない技術となっています。

高送り加工を成功させるためのポイント

高送り加工を成功させるためには、送り速度だけに注目するのではなく、工具選びや加工条件、機械との組み合わせを総合的に考えることが重要です。

また、一度設定した条件をそのまま使い続けるのではなく、加工結果を確認しながら少しずつ調整することで、より高い効率を実現できます。

最初から完璧な条件を見つけるのは難しいため、メーカーの推奨条件を基準にしながら最適な条件を探していくことが成功への近道です。

まとめ

高送り加工は、工具を速く前進させることで加工時間を短縮し、生産効率を高める加工方法です。

加工時間の短縮や工具寿命の向上、コスト削減など、多くのメリットがあります。一方で、適切な工具選びや加工条件の設定が重要であり、用途に応じて通常加工と使い分けることも必要です。

特に荒加工では高い効果を発揮するため、多くの製造現場で採用されています。

これから高送り加工を導入する場合は、加工する材料や設備に合った工具を選び、メーカー推奨の条件を参考にしながら最適な加工条件を見つけていくことが、生産性向上への第一歩となるでしょう。

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