材料

青銅のJIS規格を徹底解説|材質ごとの特徴と用途とは?

h.i.0718.87@gmail.com

青銅とはどのような金属?

青銅(せいどう)とは、主に「銅(どう)」に「スズ」を加えて作られる合金のことです。古くから使われてきた金属で、硬さや耐久性に優れていることから、現代でもさまざまな製品に活用されています。

一般的に銅は加工しやすく電気も通しやすい金属ですが、そのままでは柔らかいため、摩耗や衝撃に弱いという面があります。そこでスズなどの金属を加えることで、強度や耐摩耗性を高めたものが青銅です。

青銅は機械部品や船舶関連の部品、建築金物、美術工芸品など、私たちの身近な場所でも幅広く使われています。

しかし、一口に青銅といっても種類はさまざまで、それぞれ特徴や用途が異なります。その違いを定めているのが「JIS規格」です。

JIS規格とは?

JIS規格とは、「日本産業規格」のことです。

以前は「日本工業規格(Japanese Industrial Standards)」と呼ばれていましたが、現在は日本産業規格へと名称が変更されています。ただし、略称としてJISは引き続き使われています。

JIS規格では、材料の成分や性能、寸法などが細かく定められています。

これにより、

  • 品質を一定に保てる
  • 製品ごとの差が少なくなる
  • 安心して設計や製造ができる
  • 取引時の基準として利用できる

といったメリットがあります。

青銅もJIS規格によって種類ごとの成分や性質が決められており、用途に応じて適切な材料が選ばれています。

青銅のJIS規格の主な種類

青銅にはいくつかの種類がありますが、代表的なものとして次のような材料があります。

りん青銅

りん青銅は、銅とスズを主成分とし、少量のリンを加えた青銅です。

JIS規格では「C5210」や「C5191」などがよく知られています。

リンを加えることで、次のような特徴が生まれます。

  • バネ性が高い
  • 摩耗しにくい
  • 疲れに強い
  • 加工しやすい
  • 耐食性に優れている

特に「元の形に戻ろうとする力」が強いため、電気部品や精密機器の接点などに多く使われています。

C5191の特徴と用途

C5191は、りん青銅の中でも特によく使用される材料です。

適度な強度と加工性のバランスが良く、

  • コネクタ部品
  • スイッチ部品
  • バネ材
  • 電子機器部品

などに採用されています。

スマートフォンやパソコン、自動車の電子部品など、私たちの生活に欠かせない製品にも使われています。

C5210の特徴と用途

C5210はC5191よりもスズの含有量が多く、さらに高い強度を持っています。

そのため、

  • 高性能コネクタ
  • 精密バネ
  • 高い耐久性が必要な電子部品

などに利用されています。

繰り返し動作する部品にも適しており、長期間の使用でも性能を維持しやすい材料です。

鋳造青銅

鋳造青銅は、溶かした金属を型に流し込んで作られる青銅です。

複雑な形状の部品を製作しやすく、機械部品として広く利用されています。

JIS規格では「CAC」が代表的な記号として用いられます。

CAC406の特徴と用途

CAC406は、鋳造青銅の中でも比較的加工しやすい材料です。

特徴としては、

  • 摩耗に強い
  • 切削加工しやすい
  • 耐食性が高い

といった点が挙げられます。

主な用途は、

  • 軸受(回転部分を支える部品)
  • ブッシュ
  • 歯車
  • 機械部品

などです。

CAC502の特徴と用途

CAC502は、高い強度と耐摩耗性を備えています。

負荷がかかる部分にも使用しやすく、

  • ポンプ部品
  • バルブ部品
  • 船舶機器
  • 産業機械部品

などで活躍しています。

水や油に接する環境でも性能を発揮しやすい材料です。

CAC603の特徴と用途

CAC603はアルミニウムを含む青銅で、非常に優れた強度を持っています。

特徴は、

  • 高強度
  • 優れた耐食性
  • 耐摩耗性が高い
  • 海水に強い

ことです。

そのため、

  • 船舶用部品
  • プロペラ関連部品
  • 海洋設備
  • 重機部品

など、過酷な環境で使用されることが多くなっています。

アルミニウム青銅

アルミニウム青銅は、銅にアルミニウムを加えて作られる青銅です。

一般的な青銅よりも強度が高く、耐食性にも優れています。

特に海水に対する強さが特徴で、海に関わる設備では欠かせない存在です。

特徴としては、

  • 非常に丈夫
  • 錆びにくい
  • 摩耗しにくい
  • 衝撃に強い

ことが挙げられます。

用途としては、

  • 船舶部品
  • 海水ポンプ
  • バルブ
  • 化学設備
  • 発電設備

などがあります。

長期間の使用を前提とした設備で採用されることが多い材料です。

青銅と黄銅の違い

青銅と混同されやすい材料に「黄銅(おうどう)」があります。

どちらも銅をベースにした合金ですが、加える金属が異なります。

青銅はスズを加えた合金であるのに対し、黄銅は亜鉛を加えた合金です。

それぞれの特徴を比較すると、次のようになります。

青銅の特徴

  • 摩耗に強い
  • 耐食性が高い
  • 強度に優れる
  • 機械部品に適している

黄銅の特徴

  • 加工しやすい
  • 見た目が美しい
  • コストを抑えやすい
  • 水回り製品や装飾品に使われる

用途に応じて使い分けることが重要です。

例えば、水道の蛇口やドアノブなどには黄銅が使われることが多く、機械の軸受や高い耐久性が必要な部品には青銅が選ばれています。

青銅が選ばれる理由

青銅は古くから利用されてきた材料ですが、現在でも多くの現場で必要とされています。

その理由として、次のような点があります。

摩耗しにくい

金属同士がこすれ合う部分では、摩耗が大きな問題になります。

青銅は摩耗に強いため、軸受やブッシュなどの回転部品に適しています。

錆びにくい

青銅は水や湿気に対する耐久性が高く、腐食しにくい特徴があります。

特に海水環境に強い種類もあり、船舶関連で重宝されています。

加工方法の選択肢が多い

圧延材や鋳造材など、用途に応じた形状で供給されているため、さまざまな製品づくりに対応できます。

大量生産から特注品まで幅広く活用されています。

長寿命につながる

耐摩耗性や耐食性に優れているため、交換頻度を減らせる場合があります。

設備の維持費削減や安定稼働にも貢献する材料といえるでしょう。

青銅のJIS規格を選ぶ際のポイント

青銅を選ぶ際には、「青銅だから同じ」と考えないことが大切です。

用途によって適した種類は異なります。

電子部品ならりん青銅

バネ性や導電性が求められる場合は、C5191やC5210などのりん青銅が適しています。

精密機器や電子機器で多く採用されています。

回転部品なら鋳造青銅

軸受やブッシュなど、摩耗が発生する部品にはCAC406やCAC502などが適しています。

耐久性を重視する機械部品に向いています。

海水環境ならアルミニウム青銅

海水に触れる設備では、優れた耐食性を持つアルミニウム青銅が有力な選択肢です。

船舶や海洋設備などで高い信頼性を発揮します。

まとめ

青銅は、銅にスズなどを加えることで強度や耐久性を高めた合金であり、古くから現代まで幅広く利用されている材料です。

JIS規格によって成分や性能が明確に定められているため、必要な性能に応じた材料選びがしやすくなっています。

りん青銅は電子部品やバネ材、鋳造青銅は軸受や機械部品、アルミニウム青銅は船舶や海洋設備など、それぞれ得意とする用途があります。

適切なJIS規格の青銅を選ぶことは、製品の品質向上や設備の長寿命化につながります。

青銅について理解を深めることで、材料選定の幅は大きく広がります。用途や使用環境に合わせて最適な青銅を選び、より安全で効率的なものづくりに役立てていきましょう。

記事URLをコピーしました