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真鍮と青銅の電気伝導率を比較|選定時のポイントとは?

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金属を選ぶ際に、「電気をどれくらい通すのか」は重要な判断基準のひとつです。特に、電気部品や端子、コネクタなどに使われる材料では、電気伝導率の違いが製品の性能や寿命に影響を与えることがあります。

その中でも、真鍮(しんちゅう)と青銅(せいどう)は、どちらも銅を主成分とした合金として広く使われています。しかし、「どちらのほうが電気を通しやすいのか」「どのような場面で使い分けるべきなのか」まで理解している人は多くありません。

この記事では、真鍮と青銅の電気伝導率を比較しながら、それぞれの特徴や選定時のポイントをわかりやすく解説します。

真鍮と青銅とは?

まずは、それぞれの材料がどのようなものなのかを確認しておきましょう。

真鍮とは

真鍮は、銅に亜鉛を加えて作られる合金です。

金色に近い美しい見た目が特徴で、アクセサリーやインテリア用品、水回りの部品、機械部品など幅広い用途で使われています。

真鍮には次のような特徴があります。

  • 加工しやすい
  • 比較的価格が安い
  • 強度と粘り強さのバランスが良い
  • 電気をある程度通す

特に切削加工がしやすいため、大量生産される部品によく採用されています。

青銅とは

青銅は、銅にスズを加えて作られる合金です。

古くから「ブロンズ」として知られ、仏像や鐘などにも使われてきました。現在では、機械部品やばね、軸受けなど工業分野でも重要な材料となっています。

青銅の主な特徴は次の通りです。

  • 摩耗に強い
  • 耐久性が高い
  • ばね性に優れる種類がある
  • 腐食に強い

特に、繰り返し曲げたり伸ばしたりする部品には、青銅の一種であるリン青銅が多く採用されています。

電気伝導率とは?

電気伝導率とは、簡単にいうと「電気の流れやすさ」を表す数値です。

電気伝導率が高い材料ほど、電気がスムーズに流れます。逆に数値が低いと、電気が流れにくくなります。

電線に純銅が使われるのは、電気伝導率が非常に高いためです。

一般的には、純銅の電気伝導率を100%として比較することが多く、「IACS」という基準が使われます。

難しく考える必要はなく、「純銅を100点としたときに、何点くらい電気を通すのか」と考えるとわかりやすいでしょう。

真鍮の電気伝導率

真鍮の電気伝導率は、亜鉛の含有量によって変わります。

一般的な真鍮では、純銅を100%とした場合、およそ25~30%程度の電気伝導率とされています。

つまり、純銅ほどではないものの、ある程度の電気を流すことができます。

真鍮は次のような用途で使用されています。

  • 電気端子
  • コネクタ部品
  • スイッチ部品
  • ネジやボルト
  • 配電設備の部品

加工性に優れているため、複雑な形状の電気部品にも対応しやすいことが大きなメリットです。

青銅の電気伝導率

青銅の電気伝導率は、種類によって差があります。

一般的な青銅では、純銅の10~20%程度の電気伝導率となることが多く、真鍮よりも低い傾向があります。

特に、電気部品でよく使われるリン青銅は、およそ10~15%程度とされています。

電気の流れやすさだけを見ると、真鍮のほうが有利です。

一方で、青銅には別の強みがあります。

例えば、

  • 繰り返しの動きに強い
  • 弾力性がある
  • 接触圧を維持しやすい
  • 摩耗しにくい

といった特徴です。

そのため、電気を流すだけではなく、「長期間しっかり接触し続けること」が求められる部品に適しています。

真鍮と青銅の電気伝導率を比較

真鍮と青銅の違いを、電気伝導率を中心にまとめると以下のようになります。

項目真鍮青銅
主な成分銅+亜鉛銅+スズ
電気伝導率約25~30%約10~20%
加工のしやすさ高いやや劣る
耐摩耗性普通高い
ばね性あまり高くない高い種類がある
耐久性良好非常に高い
主な用途端子、ネジ、配電部品コネクタ、ばね部品、接点

電気の流れやすさだけを見ると真鍮が優れています。しかし、実際の製品選びではそれだけで決めることはありません。

使用環境や求める性能によって、適した材料は変わります。

真鍮を選ぶべきケース

真鍮は、電気伝導率と加工性のバランスに優れています。

そのため、次のような場面に向いています。

電気をある程度流したい場合

純銅ほどの性能は必要ないものの、一定の電気伝導性が求められる部品には真鍮が適しています。

電気設備の端子や接続部品などが代表例です。

複雑な形状の部品を作る場合

真鍮は削ったり穴を開けたりする加工がしやすいため、細かな部品を効率よく製造できます。

大量生産にも向いており、コストを抑えやすい点も魅力です。

コストを重視する場合

材料費や加工費を含めたトータルコストを考えると、真鍮が有利になるケースは少なくありません。

必要な性能を満たしつつ、費用を抑えたい場合に選ばれています。

青銅を選ぶべきケース

青銅は、電気伝導率では真鍮に及ばないものの、耐久性や弾力性に優れています。

接触を長期間維持したい場合

コネクタや接点部品では、しっかり押さえつける力が重要です。

青銅は弾力性が高いため、長期間使用しても接触圧を維持しやすい特徴があります。

繰り返し動く部品の場合

ばねのように何度も動作する部品では、疲労による変形が問題になります。

青銅はこうした繰り返しの負荷に強く、安定した性能を発揮します。

摩耗が発生する環境の場合

部品同士がこすれ合う場所では、摩耗への強さが重要です。

青銅は耐摩耗性に優れているため、長寿命化につながります。

電気伝導率だけで判断してはいけない理由

材料選定では、「電気をよく通す材料=最適」とは限りません。

例えば、電気伝導率だけを重視すると真鍮が有利ですが、接点の押さえる力が弱くなれば接触不良の原因になることがあります。

反対に、青銅は電気伝導率こそ低めですが、安定した接触状態を保ちやすいため、結果として長期間の信頼性が高くなることがあります。

そのため、材料を選ぶ際には次のような点を総合的に確認することが大切です。

  • 必要な電気伝導率はどの程度か
  • 部品にどれくらいの強度が必要か
  • ばね性が求められるか
  • 摩耗への強さは必要か
  • 加工性は重要か
  • コストに制約はあるか
  • 使用環境に湿気や腐食の要因があるか

これらを踏まえて判断することで、製品の性能や寿命の向上につながります。

用途に応じた使い分けが重要

真鍮と青銅は、どちらも銅をベースにした優れた材料ですが、得意分野は異なります。

真鍮は電気伝導率が比較的高く、加工しやすく、コスト面でも扱いやすい材料です。一方、青銅は耐久性やばね性、摩耗への強さに優れ、長期間安定した性能が求められる部品に適しています。

「電気をどれだけ流したいのか」と「どのような環境で使うのか」の両方を考えることが、最適な材料選定のポイントです。

まとめ

真鍮と青銅の電気伝導率を比較すると、一般的には真鍮が約25~30%、青銅が約10~20%とされており、電気の流れやすさでは真鍮が優れています。

しかし、材料選びでは電気伝導率だけを見るのではなく、耐久性やばね性、耐摩耗性、加工性、コストなどを総合的に判断することが重要です。

加工しやすさと電気伝導性のバランスを求めるなら真鍮、長期間の接触安定性や耐久性を重視するなら青銅が適しているでしょう。

それぞれの特徴を正しく理解し、用途に合った材料を選ぶことが、品質の高い製品づくりにつながります。

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