切削加工

切削加工における加工公差とは?図面の読み方も解説

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加工公差とは?

切削加工では、図面に書かれた寸法どおりに製品を作ることが求められます。しかし、どれだけ精度の高い工作機械を使用しても、寸分違わず同じ寸法に仕上げることは現実的には難しいものです。

そこで設けられているのが「加工公差」です。

加工公差とは、製品の寸法に対して「この範囲内であれば問題なく使用できる」と認められた許容範囲のことです。

例えば図面に「20±0.1mm」と記載されていた場合、20mmぴったりでなくても、

  • 19.9mm
  • 20.0mm
  • 20.1mm

であれば合格となります。

つまり、加工公差は品質を保ちながら、現実的に製品を製作するために欠かせない基準なのです。

なぜ加工公差が必要なのか

「図面どおりの寸法で作ればいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。

しかし、実際の加工ではさまざまな要因によって寸法がわずかに変化します。

例えば、

  • 工具の摩耗
  • 材料のばらつき
  • 工作機械のわずかな誤差
  • 温度変化による膨張や収縮

などがあります。

これらを完全になくすことはできません。

もし公差が設定されていなければ、ほんのわずかな違いでも不良品となり、製造コストや納期に大きな影響を与えてしまいます。

そのため、必要な性能を保ちながら、製造しやすくするために加工公差が設定されています。

加工公差が厳しいとどうなる?

加工公差には「厳しい公差」と「ゆるい公差」があります。

例えば、

  • ±0.5mm
  • ±0.01mm

では、後者のほうがはるかに高い精度が求められます。

公差が厳しくなると、

  • 高性能な工作機械が必要
  • 加工時間が長くなる
  • 測定回数が増える
  • 不良品が発生しやすくなる

といった影響があります。

その結果、加工費用も高くなる傾向があります。

反対に、必要以上にゆるい公差では部品同士がうまく組み合わず、製品として正常に機能しない可能性があります。

そのため、必要な精度に合わせて適切な公差を設定することが重要です。

図面でよく見る加工公差の表記

加工公差は図面の中でさまざまな方法で表記されています。

ここでは代表的なものをご紹介します。

「±」で表す公差

もっともわかりやすい表記です。

30±0.05

この場合は、

  • 最小:29.95mm
  • 最大:30.05mm

までが許容範囲になります。

中心となる寸法から同じだけプラス・マイナスの範囲が認められています。

上下で異なる公差

図面では、プラス側とマイナス側で異なる数値が指定されることもあります。

30 +0.02
  -0.01

この場合は、

  • 最大30.02mm
  • 最小29.99mm

となります。

部品の組み立てや機能上の理由から、このような指定が行われます。

一般公差

図面には、すべての寸法に細かく公差を書かない場合があります。

そのときに使用されるのが一般公差です。

例えば図面のどこかに

「一般公差:±0.2」

と書かれていれば、個別に公差が指定されていない寸法は基本的に±0.2mmで判断します。

図面を見る際は、寸法だけでなく一般公差の記載も確認することが大切です。

図面を見るときのポイント

加工図面を見る際は、寸法だけを確認するのではなく、公差にも注目する必要があります。

特に次のポイントを確認しましょう。

公差が指定されている寸法を確認する

すべての寸法が重要というわけではありません。

部品同士が組み合わさる部分や、性能に関わる箇所には細かな公差が設定されていることが多くあります。

まずは、その寸法を見つけることが大切です。

一般公差を確認する

個別に公差が書かれていないからといって、公差がないわけではありません。

図面のタイトル欄や備考欄に一般公差が記載されているケースが多いため、必ず確認しましょう。

測定方法も考える

加工後は図面どおりに仕上がっているかを測定します。

そのため、どの測定器を使うかも重要になります。

代表的な測定器には、

  • ノギス
  • マイクロメーター
  • ダイヤルゲージ

などがあります。

求められる精度に応じて、適切な測定器を使用します。

加工公差と加工費用の関係

加工公差は品質だけでなく、加工費用にも大きく影響します。

例えば、同じ形状の部品でも、

  • 公差が±0.2mm
  • 公差が±0.005mm

では、必要な加工技術や測定精度がまったく異なります。

精度が高くなるほど、

  • 加工時間が長くなる
  • 加工条件を細かく調整する
  • 測定作業が増える
  • 不良率を下げるための管理が必要

となるため、価格も高くなる傾向があります。

そのため、必要以上に厳しい公差を設定しないことは、コストを抑えるためにも重要です。

加工公差を理解するメリット

加工公差を理解すると、図面の内容が読みやすくなるだけではありません。

例えば、

  • 加工内容を正しく理解できる
  • 製造現場との打ち合わせがスムーズになる
  • 品質トラブルを防ぎやすくなる
  • 適切な加工方法を選びやすくなる

など、多くのメリットがあります。

切削加工では、図面の寸法だけを見るのではなく、「どれくらいの誤差まで許されるのか」を理解することが非常に重要です。

まとめ

加工公差とは、製品に認められる寸法の許容範囲のことです。

切削加工では、工作機械や工具、材料などの影響によってわずかな誤差が生じるため、公差は品質を保つために欠かせない基準となっています。

図面には「±」による表記や上下で異なる公差、一般公差など、さまざまな方法で公差が示されています。図面を正しく読むためには、寸法だけでなく、公差の指定内容もしっかり確認することが大切です。

また、公差が厳しくなるほど加工時間や測定作業が増え、加工費用も高くなる傾向があります。そのため、品質とコストのバランスを考えながら、適切な公差を設定することが重要です。

加工公差の基本を理解しておくことで、図面を正しく読み取り、より品質の高い製品づくりにつなげることができるでしょう。

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