成形加工

プレス加工の工程とは?加工の流れを初心者向けに解説

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製造業ではさまざまな加工方法が使われていますが、その中でも大量生産に適した代表的な方法が「プレス加工」です。自動車部品や家電製品、建築金物、日用品など、私たちの身の回りにある多くの金属製品はプレス加工によって作られています。

しかし、「プレス加工とは聞いたことがあるけれど、実際にはどのような流れで製品が作られているのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、プレス加工の工程を初心者向けにわかりやすく解説します。材料の準備から完成品になるまでの流れや、各工程で行われる作業内容について詳しく紹介します。

プレス加工とは

プレス加工とは、金属の板に大きな力を加えて、切ったり曲げたりしながら目的の形に仕上げる加工方法です。

専用の機械と型を使用し、短時間で同じ形状の製品を大量に作れることが大きな特徴です。

例えば以下のような製品に活用されています。

  • 自動車部品
  • 家電製品の内部部品
  • 建築金物
  • パソコンやスマートフォンの部品
  • 金属製のケースやカバー

一見複雑な形状の製品でも、いくつかの工程を組み合わせることで効率よく製造できます。

プレス加工の基本的な工程

プレス加工は一般的に次のような流れで進みます。

  1. 材料の準備
  2. 金型の準備
  3. 材料の投入
  4. 打ち抜き加工
  5. 曲げ加工や成形加工
  6. バリ取り
  7. 検査
  8. 出荷

実際の製品によって工程数は異なりますが、基本的な考え方はほぼ同じです。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

材料を準備する

プレス加工は材料の準備から始まります。

使用する材料を選ぶ

製品の用途に合わせて適切な金属を選びます。

主な材料には次のようなものがあります。

  • ステンレス
  • アルミニウム
  • 真鍮

例えば強度が必要な製品には鉄が使われ、軽量化が必要な製品にはアルミニウムが選ばれます。

コイル材や板材を準備する

プレス加工では主に以下の形状の材料が使われます。

コイル材

長い帯状の金属をロール状に巻いたものです。

大量生産に向いており、自動供給しながら連続加工できます。

板材

一定サイズに切られた金属板です。

比較的小ロットの生産や大型部品の加工に使われます。

金型を準備する

プレス加工で最も重要なものの一つが金型です。

金型とは

金型とは、製品の形を作るための専用工具です。

たい焼きを焼く型をイメージするとわかりやすいでしょう。

金属材料を金型の間に挟み、大きな力を加えることで目的の形状を作ります。

金型の取り付け

加工前にはプレス機に金型を取り付けます。

取り付け後は位置の調整を行い、正しく加工できる状態にします。

位置が少しでもずれると不良品が発生するため、慎重な調整が必要です。

試し加工を行う

本格的な生産の前に試し加工を実施します。

試作品を確認しながら寸法や形状に問題がないかを確認します。

問題がなければ量産工程へ進みます。

材料をプレス機へ投入する

準備が整ったら材料を機械へ投入します。

自動供給の場合

大量生産では自動供給装置を使用することが一般的です。

コイル材を自動的に送り出し、決められた長さごとに加工を行います。

人の作業を減らせるため、生産効率が向上します。

手動供給の場合

少量生産では作業者が材料をセットする場合もあります。

製品の形状や生産数量によって使い分けられています。

打ち抜き加工を行う

多くのプレス製品では最初に打ち抜き加工を行います。

打ち抜き加工とは

金属板を必要な形状に切り抜く工程です。

クッキーの型抜きに似たイメージです。

平らな金属板から製品の輪郭を作ります。

穴あけ加工も同時に行う

製品によってはネジ穴や固定穴が必要になります。

そのため、打ち抜き加工と同時に穴を開けることもあります。

一度の加工で複数の作業を行えるため、生産性が高くなります。

曲げ加工を行う

打ち抜き後の平らな材料を立体形状にする工程です。

曲げ加工の役割

製品に角度や立体感を与えるために行います。

例えば以下のような形状が作られます。

  • L字形状
  • コの字形状
  • 箱型形状
  • ブラケット形状

曲げ加工によって強度が向上する場合もあります。

曲げ角度を管理する

曲げる角度は製品ごとに決まっています。

角度がずれると組み立て時に問題が発生するため、細かな調整が必要です。

成形加工を行う

さらに複雑な形状が必要な場合は成形加工を行います。

成形加工とは

金属を押し広げたり、へこませたりして立体的な形状を作る工程です。

例えば次のような加工があります。

  • 凹凸をつける
  • 丸みを作る
  • 深い容器形状を作る
  • 補強用のリブを作る

強度向上にも役立つ

成形加工によって見た目だけでなく強度も向上します。

薄い板でも形状を工夫することで、丈夫な部品を作ることが可能です。

複数工程を一度に行う場合もある

現在のプレス加工では複数工程を一つの金型で行うことがあります。

順送加工とは

材料を少しずつ送りながら、各工程を順番に実施する方法です。

例えば、

  • 1工程目で穴あけ
  • 2工程目で外形加工
  • 3工程目で曲げ加工
  • 4工程目で完成

という流れになります。

生産効率が高い

一度材料をセットするだけで完成品まで加工できるため、大量生産に非常に向いています。

自動車部品や家電部品などで広く採用されています。

バリ取りを行う

加工後にはバリ取りを実施します。

バリとは

金属を切断した際に発生する細かな突起のことです。

目では見えにくい場合もありますが、そのままでは以下の問題が発生します。

  • 手を傷つける
  • 組み立てしにくい
  • 品質が低下する

バリ取り方法

主な方法は次の通りです。

  • 研磨
  • ブラシ処理
  • 専用機械による仕上げ

製品の用途に応じて最適な方法が選ばれます。

表面処理を行う場合もある

製品によってはプレス加工後に追加工程を行います。

防錆処理

鉄製品では錆を防ぐための処理が行われます。

代表例として、

  • めっき
  • 塗装

などがあります。

外観向上

見た目を美しくするために表面処理を行う場合もあります。

家電製品や建築部品では重要な工程です。

品質検査を行う

完成した製品は品質検査を受けます。

寸法検査

図面通りに作られているかを確認します。

  • 長さ
  • 穴位置
  • 曲げ角度

などを測定します。

外観検査

キズや変形がないかを確認します。

特に外から見える部品では厳しい基準が設けられています。

強度確認

用途によっては強度試験を行うこともあります。

安全性が求められる製品では欠かせない工程です。

梱包して出荷する

検査に合格した製品は梱包され、顧客へ出荷されます。

傷防止対策

金属製品は輸送中に傷が付く可能性があります。

そのため、

  • 緩衝材
  • 保護フィルム
  • 専用トレー

などを使用して保護します。

トレーサビリティ管理

近年では製造履歴を管理する企業も増えています。

いつ、どの材料で、どの機械を使って製造したかを記録することで品質管理の向上につながります。

プレス加工工程を理解するメリット

プレス加工の流れを理解すると、製品づくりの仕組みが見えてきます。

製品設計に役立つ

設計担当者は加工工程を理解することで、作りやすい製品を設計できます。

コスト削減につながる

工程数を減らせる設計ができれば、製造コストの削減が可能です。

品質向上につながる

各工程の役割を理解することで、不良の原因を見つけやすくなります。

まとめ

プレス加工は、金属板に大きな力を加えて形を作る加工方法です。

基本的な流れは、

  • 材料準備
  • 金型準備
  • 材料投入
  • 打ち抜き加工
  • 曲げ加工
  • 成形加工
  • バリ取り
  • 品質検査
  • 出荷

という工程で進みます。

一見すると単純な作業に見えるかもしれませんが、それぞれの工程には品質を確保するための重要な役割があります。

また、近年では自動化技術の進歩により、多くの工程を連続して行えるようになり、高品質な製品を効率よく生産できるようになっています。

プレス加工の工程を理解することで、製造現場の仕組みや製品が完成するまでの流れをより深く知ることができるでしょう。

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